『天使も怪物も眠る夜』吉田篤弘 作|あらすじ・感想|

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『天使も怪物も眠る夜』読み切りました〜

螺旋プロジェクト完結編です🥹

題名通り夢の中のようなお話で、掴みきれない、終始ふわふわした感覚で読み進めていました。

星新一のショートショートのような雰囲気🧑‍🚀

また、螺旋プロジェクトでありながら、海山対立はあまり描かれていないため、

バトル的な意味での緊張感を期待している方には物足りないかもしれません。

ただし、ミステリー要素は強いので、なかなかに頭を捻らせました。

対立表現は少ないですが、これぞ螺旋プロジェクトの完結編だ!と思う結末になっています。

他作品を読まれた方には外せない作品です。

こんな人におすすめ
  • 血なまぐさい話は苦手
  • でも、ミステリーが好き
  • 前向きな話が好き
  • 星新一『ショートショート』が好き

個人的には、『蒼色の大地』を読んだ方は絶対に読んでほしいです。

3人の目指した未来がここにある!

あらすじ

二〇九五年、東京は〈壁〉によって東西に分断されていた。

不安に包まれた街は不眠の都 と化し、睡眠ビジネスが隆盛を誇っている。

そんな中、睡眠コンサルタントで働くシュウは、謎の美女と出会い・・・・・・

未来版めくるめく 「眠り姫」の物語が幕を開ける!

文庫版特典として、競作企画の始まりを綴った「あとがき」と「もうひとつのエピローグ」を収録。

心に残るセリフ

「この世は、ひとつになりたいふたつで出来てる。

な? ひとつになりたいひとつじゃねえんだ。それじゃあ、なあんにも始まらん。

ふたつに分かれてるってことが肝心なんだ。 うまく出来てるよ。

だから、本当に強い力っていうのは、あっちのもんとこっちのもんが 合わさったときに―――雷様みたいにだ――プラスとマイナスが合わさったときに生まれてくる。

ブラスとマイナスはいつだって、つながりたい。会いたいってことだ。

な?お前さんにだって、会いたい奴がいるだろ?」

これが海山対立の全てな気がする…

「いえ、きっともう大丈夫です」

中略

「未来が待っています」

もー🥹

蒼色の大地を読んだ方、共感できますよね?

感想

以降若干のネタバレ含みますので、まだ読んだことがない方は気をつけてください

対立のない世界

螺旋プロジェクトということを忘れるくらい、目立った海山対立はないです。

いつ来る?いつ来る?とドキドキしながら待っていましたが、結局対立は来ず…

ただ、この対立がない事が蒼色の大地で3人が望んだ新たな世界なんだと思うとグッと来ました🥹

蒼色の大地を読んでない人はこちらから

『蒼色の大地』薬丸岳作 |あらすじ・感想|
螺旋プロジェクト『蒼色の大地』薬丸岳作 あらすじ・感想

夢の中のような物語

伏線回収系に良くある、これまでの謎が話の終盤に一気に解けていったり、

ばら撒かれた伏線が最後にヒューっと回収されたりする事はないです。

繋がった!と思っても、また絡まって、忘れた頃に一部が繋がる。

常に謎めいていて、フワフワした感覚で読み進めていました。

そして最後は、気がついたらに物語の中枢にたどり着いていて、これまで読んでいた内容の本当の意味が明かされます。

あの時のあれもそういうことだったの!と、もう一度最初から読み直したくなります。

フワフワしてるのに、しっかり想像を超えてくる🤦🏻‍♀️

本作のように、ミステリー小説を読んでいると、『前に出てきたあのシーンに戻りたい!』ってことありますよね?

そんな時はキーワード検索できる電子書籍がオススメです。

電子書籍を使われていない方は、『天使も怪物も眠る夜』を電子書籍で読んでみてください👍

美しい結末

こんな結末になるとは全く想像できませんでした。

螺旋プロジェクトのルールが先入観となっていたかもしれません。

筆者の吉田さんに、そして登場人物達にしてやられた感です。

小説としてもハッピーエンドですが、これまでの螺旋プロジェクトの全作品をまとめてハッピーエンドにしたような結末です。

読み終わった時点で全てがこのためだったとすら思いました。

まとめ

終始ふわふわした不思議な感覚で読めるお話です。

だからと言って、読者を置いてけぼりにせずに、しっかりミステリーとしての仕掛も施されてあって、次の展開を楽しみにページをめくっていきました。

物語や本を巡る話になっているので読書好きの皆さんにはうってつけの1冊です。

是非、気になる方は読んでみてください😊

読んだ方は、是非感想を教えて下さい😊

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