【あらすじ|感想】朝井リョウ 短編『世にも奇妙な君物語』

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朝井リョウの世にも奇妙な物語 小説版といった小説です。

ドラマ世にも奇妙な物語のような奇妙な話が5話入った、短編集になっています。

そして、最後はそう来たか‼と驚かされます。

小説だからできる技法で、最後の話に入った途端やられたと思うでしょう。

朝井リョウの手のひらで踊らされているのです。

今回は、その中の一つ「リア充裁判」のあらすじ、感想を投稿します。

極力ネタバレなしでご紹介しますが、若干のネタバレを含む可能性がありますので、ご注意ください。

「リア充裁判」あらすじ

この世の中では、コミュニケーション能力促進法というものが制定され様々な取り組みが行われている。

「能力調査」通称リア充裁判もこの取り組みの一つ。

18歳以上の学生から無作為に市民が選出され、実技質疑応答により合否がつけられる。

実技:Web上の写真などの開示。飲み会のコールの実演。
質疑応答:実技が真実か否か確認するための質疑。

そして、不合格者は事務局からの課題をこなし合格をしなければならない。

当時、知子の姉は、法学部に通う大学生だった。

同級生が髪を染め、バイトでお金を稼ぎ、サークル仲間と旅行に行っている間、姉は弁護士になるという夢に向かってひたむきに努力をしていた。

姉はまっすぐな黒髪のまま、背筋をぴんと伸ばし、自分の将来だけを見つめていた。

『世にも奇妙な君物語』「リア充裁判」より

また、姉はSNSは使わず、人と直接会って話をし、思いを伝えあうことを大切にしていた。

知子は、姉はうわべでなく人の本質に目を向ける素敵な弁護士になると感じていたし、そんな姉に憧れていた。

ある日、姉のもとに「能力調査」のはがきが届く。

人と人との対話は得意だからと心配する知子に向かって微笑んだ姉に、事務局は「不合格」のジャッジを下した。

姉のコミュニケーション能力は、「日本人らしい豊かな」ものではなく、「独りよがりで、孤立している」ものだという評価が下された。

『世にも奇妙な君物語』「リア充裁判」より

そして今、知子のもとに件のはがきが届く…

感想(ネタバレなし)

学生時代の、リア充でないといけないといった強迫観念ってこんな感じだったなと思いました。

大人になると、反対に
・誠実であること
・自分らしくあること
・個性

などが大事である事に気づかされ、学生時代の強迫観念が人生の足を引っ張り続ける人も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

知子のように、姉のことを素敵だと思える素直な感情と、それにまっすぐに突き進む姿勢が心に響きます。

まだ大学生で、リア充が正とされる世界に身を置く知子ですが、将来彼女の時代が来る事を望まずにはいられません。

名言

「あなたにはきっと、語るべき言葉がたくさんある」

中略

「これまでひとりで積み重ねてきた思いが、言葉が、知子さんの小さな体の中にはたくさんたくさん詰まっているはずです」

『世にも奇妙な君物語』「リア充裁判」より

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最後に

この『世にも奇妙な君物語』はドラマ化されています。

今回紹介した「リア充裁判」だけではなく、全話が映像化されているため、興味がある方はWOWOWから視聴してみてください!

小説では、リア充裁判の議長が凄くカッコよかったので、誰が演じていたか気になります🤭

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