※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、アフィリエイト広告が含まれる場合があります。
「最近、映画化されていたな~」と遅ればせながら、あの有名作品を初めて読みました。
そして、完全に朝井リョウにやられました。
読んで終わりの話じゃない!
まさしく、本作の映画のサブタイトルにもあるように、「観る前の自分には戻れない」というキャッチコピーの通り、小説の外にある現実の私たちの生活に影響を与える物語です。
「傑作?問題作?」ともいわれる作品のため、感想は二分されるかと思いますが、私は今読んでおくべき素晴らしい作品だと思ったので、紹介させてもらいます。
第19回 本屋大賞ノミネート!【第34回柴田錬三郎賞受賞作】あってはならない感情なんて、この世にない。それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだ。
息子が不登校になった検事・啓喜。
初めての恋に気づいた女子大生・八重子。
ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。
ある人物の事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり合う。
しかしその繋がりは、”多様性を尊重する時代”にとって、ひどく不都合なものだった――。
「自分が想像できる"多様性"だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな」
これは共感を呼ぶ傑作か?目を背けたくなる問題作か?作家生活10周年記念作品・黒版。
あなたの想像力の外側を行く、気迫の書下ろし長篇。
AMAZON
多数派にいる啓喜の方が、不幸にも思える描写があります。
だからと言って単純に少数派の方が幸せとも言い切れない。
心にグッとくる物語です。
響いたセリフ
ーあなたの中には何があるの?
私はこんな秘密を明かしたよ、だからあなたの秘密をちょうだい。そうじゃないとフェアじゃないでしょ。そんな風に、欲しくもない情報をいきなり突き付けてきたくせに、見返りを求めてくる人ばかり。相手の奥底を覗きに来る人ばかりだ。
みんな本当は、気がついているのではないだろうか。
三分の二を二回続けて選ぶ確率は九分の四であるように、”多数派にずっと立ち続ける”ことは立派な少数派であることに。
誰かの奥底にある異物を引きずり出すことで、結果的に正解のほうの列に並ぼうとしていた人たち。
自分の中に眠る不安を把握するより、蔑ろにするしかなかった人たち。
感想
心にグッと刺さる一冊でした。
辻村深月の「ナベちゃんのヨメ」でも、自分の言動を振り返ってみることがありましたが、
本作はもっと重くのしかかるくらい、自分の普段の言動や思考回路について考えさせられました。
作中の言葉たちがグサグサ刺さって、重たいボディパンチを食らったようです。
『正欲』って、何? 読んでみないとわからない衝撃を語る!
朝井リョウ、作家生活10周年記念作品の書下ろし長篇『正欲』。〈あらすじを簡単に書きたくない、作家が作った爆弾をそのまま、受け止めてほしい……〉そんな想いで送り出した作品に、書店員の皆様からさまざまな声が届きました。
新潮社HPより
”作家が作った爆弾をそのまま、受け止めてほしい”
すごく分かります!
正直、今回はオススメとしてあらすじを載せるのも迷いました。
読んだことのない方は、白紙の状態で読んでいただきたい作品です。
ただ、私も繋がりたい気持ちがあり、読破後のこの思いを綴らせていただきました。
「正欲」が面白かった!という人にはこちらもオススメ
コメント